早稲田大学国際教養学部、純ジャパだけど頑張ったよブログ

英語苦手・留学興味なし・国際関係興味なしな早稲田大学国際教養学部生による留学にまつわるあれこれ

学内選考後から渡航前までも情報収集は続けてスムーズな生活をしていこうな!という話

 学内選考後、派遣先大学候補が決定されたら、願書の準備をします。願書の記入の仕方については留学センターの担当者が指示してくれるのでそれに従っていればまず難しいことはありません。一点アドバイスがあるとすれば、PDFファイルでの提出についてです。一人暮らしの場合、スキャナを持っていないこともあるかと思いますが、大丈夫です。コンビニに行きましょう。コンビニに設置されているコピー機とUSBメモリと数百円(一枚あたり30円ほど)があれば簡単に必要書類をPDFとして取り込むことができます。
 願書の提出後、先方から合格通知がくるまで数か月かかります。この間に派遣先の国での生活についての情報収集を始めるとよいと思います。「大学名+留学」「国名+生活」「体験談」「生活情報」「現地情報」などのワードを組み合わせて検索窓にがんがん入れて調べましょう。個人が運営するブログがおすすめです。留学斡旋業者や日本の大学の留学センターのホームページは、たいてい留学のよい面や精神的・抽象的な内容を中心に書かれているので、実生活上の困ったことへの具体的な対処法などの情報を得たい場合は不向きです。豊富な情報を提供しているお気に入りの個人ブログを見つけたら、その運営主が紹介している他のブログを、ブログリンクやTwitter ,Facebookなどのフォロー・フォロワーをたどってさらに調べてみましょう。ひとつでもお気に入りのブログを発見できたら、以上のような方法をとることで芋づる式に情報を入手できるようになります。参考として、わたしが、あ、ありがてえ~~~と泣きながら読んだブログのリンクを貼っておきます。

americanmatatabi.blog.jp


 特に生活にかかわる情報をよく調べておきましょう。学生寮やアパートの設備情報や、その国での典型的な生活様式、スーパーやコンビニの品ぞろえや序列(例えば、日本に住んでいれば、「西友」はとにかく安い大衆スーパー、「イトーヨーカドー」はスーパーではあるがいろんなお店の店舗が入っていてデパート寄り、「高島屋」はお高い百貨店、ということをみんな知っていると思います)を事前に知っておくとよいでしょう。そして、自分が学生寮なりアパートなりで、朝起きてから夜まで生活している姿を詳細まで想像してみてください。「まず、朝、起きてベッドから出る……ということは寝具が必要になるが、寝具はどこで、いくらくらいで手に入るのか?こちらで買っていくべきなのか、現地で買えるのか?」といった具合です。ここで「留学+ふとん+国名」と検索してみる。ということを、暇を見つけてはちょこちょこしておくと、渡航してからかなりスムーズに生活を始めることができます。
 この生活関する情報の収集を怠るとたださえ慣れない土地であれもわからないしこれもわからないのに英語は得意じゃないしどうしたらいいんだとかなり精神的に苦しくなります。この困難さをよくよく想像してほしいと思います。海外でなくとも、例えば国内旅行をするときのことを考えてみてください。こつこつ貯めて用意したお金で移動費や宿代を捻出し、わざわざ長い休みを取って、楽しみにしていた旅行に向かうとします。そこで、下調べが足りなかったせいで、行きたいと思っていた場所がホテルからのアクセスが悪く、一日がほとんど移動時間でつぶれた上無駄な移動費が嵩んでしまったり、電車が一時間に数本しか来ないことを知らず、待ち時間がかなり長くなり次の予定に響いてしまったり、夕ご飯の予約をしていなかったせいで食べたいと思っていた名産品が食べられず結局コンビニ弁当になってしまった時のことを考えてみてください。それが言葉も通じず、東京のようにコンビニ等が発達していない土地で起こると思ってください。自分の準備不足を呪いながら、どう対処したらいいかもわからない、人に聞こうにも聞けないと途方に暮れるといった状況は、ほんとうにつらく苦しいものです。このことをよく想像して、必要と思われるものはすべて調べて備えましょう。

 また、奨学金についても調べておくとよいでしょう。留学生向けの奨学金の提供がありますから、留学センター(http://www.waseda.jp/inst/cie/from-waseda/aid/scholarship

)のホームページなどで確認し、はやめに準備を進めておくと、渡航直前に慌てずに済みます。

www.waseda.jp


 ビザの取得に関しては、大使館などが手順を説明するわかりやすい動画をアップロードしていることがあります(アメリカ、カナダのビザ申請手続きに関してはYouTube上にたいへんわかりやすい動画がありますので、「国名+ビザ申請」で検索し、参考にするとよいでしょう)。チュートリアル動画がない場合でも、大使館のホームページをよく読んでおけば申請に手こずることはないでしょう。参考としてアメリカ留学・ビザ取得に関するYoutubeのリンクを貼っておきます。

www.youtube.com


 最後に、強くおすすめしておきたいことがあります。それは、派遣先大学の日本人教授と事前に連絡を取っておく、ということです。派遣先大学の、自分が所属するであろう学部や取りたいと思っている科目群を提供している学部の教授陣の中に日本人らしき名前がないか、まず調べましょう。ない場合でも、言語学部や外国語学部、日本語学科などを調べてみましょう。日本語の語学のクラスが提供されている大学ならば一人は日本人の先生がいるはずです。その先生と連絡を取りましょう。きっと、生活の仕方や空港から大学までの送迎など、何かと助けになってくれるはずです。
 そんなことをするのは図々しいのではないかと思う気持ちもわかります。わたしも始めはそう思っていましたが、慣れない海外で英語もできず車もなくお金もない状況で、すべてをひとりでなんとかするには限度があります。頼りましょう。最低限の礼節をもってお願いすることができるのなら、図々しいと思う方よりも、手助けをしようと思ってくださる方のほうが多いのではないかと思います。
 日本人の大学関係者でなくとも、留学センターや学生住宅生協にはわからないことがあったらなんでも聞いて、頼るようにしましょう。留学生は、その国で暮らす基盤がほとんど確立されていないことが多いのですから(交通手段と生活用品がそうです)、一通り確立されるまでは人にたくさん頼りましょう(その際、当たり前ですが、感謝の気持ちは忘れずに)。

派遣先大学を選ぶときの情報収集の仕方を今すぐできるくらい超具体的に書いたので参考にしてくれよな!という話

 ここまでで興味のある分野が決まったら大学を選びましょう。学内選考の時期が二学期のわりと早い段階なので、やっと中級科目をとって発展的な内容を学びだしたぐらいで派遣先を決めるのは酷なのではと思うのですがもうしかたがない、10月中頃から一気に集中して調べて決めましょう。

 純ジャパで留学に消極的な人の場合、英語以外での受講はあまり考えないと思いますので、英語で実施されるプログラムのみについて述べます。
 まず、国の選び方ですが、英語で実施されるからといって英語圏のプログラムしかないわけではありません。日本では英語で受けられる授業の提供が少ないですが、国際的には、留学生を集めたり、外国人の講師・教授を招いたりするために、その国の公用語とは関係なしに、英語で授業を提供する大学が数多く存在します。一度、国や地域で絞る前に、使用言語が英語という条件だけでプログラムの検索をかけてみるといいでしょう。そのなかから、興味のある国や大学を、自分のTOEFLの点数との兼ね合いを見ながら絞っていきましょう。


 さて、TOEFLの点数もGPAも一応クリアはした候補の大学がいくつか決まったら、その大学のホームページを見てみましょう。
ここで英語が大きな障害になるのではないかと思います。
どの単語が何を指すのかわからず、どこをクリックすれば提供学部がわかるのか、シラバスが見られるのか、住宅情報が出てくるのか、まったく見当がつかず、もともと消極的なことも相まって、放り投げてしまいたくなるひともいるのではないでしょうか、つーかわたしはなりましたし実際放り投げて地獄を見ました。そんなわたしがこの手のホームページをやっと抵抗なく見られるようになったのは、さまざまな手続きや履修登録を自分でしなくてはならなくなって、必要に迫られてその都度、何度も何度も、あちこちのホームページを開いては読むようになってからです。そのくらい切羽詰まらないと読むようになりませんでした。そういうものです。
 が、それでは遅いのです。大学のホームページが見られるようにならなければ、自分が学びたいことが本当に学べるのか、学生寮や立地などの環境はどの程度自分に都合がいいのかがわからず、学内選考時の志望動機にまともなことが書けなくなります。わたしはまともなことが書けず、何か言っているようで何も言っていないうす~い文章を書いてぺいっと出してしまいました。TOEFLの点数で劣ることの多い純ジャパとしては、志望動機くらいはまともなものを書いてアピールするべきだったな、と今は後悔しています。
 加えて、大学の学部情報といった教育・研究環境や、大学のある街や国の生活状況をきちんと吟味しないで派遣先大学を決めることはたいへん危険です。まず、大学の教育・研究環境の吟味を怠った場合、当然ですが授業に出ることが辛くなる可能性が高いです。大学生として留学している以上、きちんと単位を取得し、それなりの成績を収める必要がありますが、吟味を怠ると、自分の学びたい科目がなかったり、レベルが合わなかったりと、出席・勉強のモチベーションを保てず、苦しい状況に追い込まれます。大学のある街や国の生活状況をきちんと把握していないと、予想外のことに見舞われ「こんなところだと思わなかった」と後悔やら自責の念やらに囚われ、精神的に苦しくなります。両者きちんと吟味して、どちらか一方は満足のいく大学を選びましょう。
ではどうやって英語まみれで勝手のわからない留学候補の大学のホームページを読めばいいのか。人に頼りましょう国際教養学部でも留学センターでも、相談に応じてくれるコーナーがありますから、そこに自分でパソコンを持っていって、画面を開いて、「この大学、いいなって思ってるんですけど、どんな学部があるか見るにはどうすればいいんですか?」「この大学の学生寮について知りたいんですけど、どこ見たらいいんですかね?」など、そんなこと自分で調べなさい、と言われようとも、始めは、英語ができて、大学のホームページも見慣れている人にとなりにいてもらって、見方というのを教えてもらいましょう。もともと留学に消極的で英語も得意ではない人は、わたしのように必要に駆られてほんとうに切羽詰まった時でなければ自発的に調べようなどとはしません。でも自発的に調べられなかろうが事前にやっておかねばならないことは決まっているので、そこは他人の力を借りましょう。とくに国際教養学部提供の留学コーナーは11号館にありますから、自分で英語のサイトを読むのは苦痛でも、読み方や見方は教えてもらえばいいやと頼る気まんまんで授業終わりにふらっと寄るのはそんなに負担でないと思います。やりたくないけれどやらなければならないことは、なるべくほかの人に助けてもらいながら無理にでも進めてもらいましょう。そうして、2、3の学校のホームページを一緒に見ていると、だいたいどの単語が日本語で言うところの何に値するのかということや、ホームページの構成もわかってくるでしょうから、そうしたら、あとは自分で好きな分だけ調べるとよいでしょう。自分でわかるようにならないなら、最終的な志望校を決めるまで全部手伝ってもらってもいいと思います。繰り返しますが、志望校を吟味するということが何よりも大事です。

 

※都会か田舎かについて
 個人的には都会をおすすめします。英語に不慣れな純ジャパにとっては現地で友達を作ることは難しいと思います。そんななか田舎で車が必須の土地に留学してしまうとかなり行動が限られてしまいます。最寄りのスーパーまで徒歩2、30分と聞くとそんなに大変そうでもないですが、食料品など重い荷物を買った時の帰り道のこと、夏や冬など気候が厳しい時のことなどをよく想像してみてください。都会の、とくにバスや電車といった公共交通機関が発達しているところ、あるいは、キャンパス内やキャンパスから徒歩10分圏内に生活用品店や食料品店が豊富な学園都市を選ぶと暮らしやすいと思います。英語に不慣れでお金がない学生ひとりでもある程度行動・活動できる街かどうかということを指標によく想像してください。気軽に安価でどこにでも行けるという事実が、実際に外出を頻繁にするかどうかということに関係なく、心理的に、かなりの解放感や可能性を与えてくれていたことに気づきます。留学先では、親しい人が近くにいずに孤独感を感じることも多く、閉塞感に苛まれやすいですが、外に開かれているということは、それだけで気持ちが前向きになり活動的にさせてくれます。
Google MapやStreet Viewを使って街並みや、周辺のお店の状況を調べてみることも有益でしょう。

※ホームページで確認しておくとよい情報について
・提供されている学部・学科の種類
・提供されている授業の種類(タイトルや形式、授業の数やジャンルの幅の広さ、入門レベルしかないのか、それとも発展レベルの科目まで用意されているのかなど)
・学部・学科に所属している教授陣(名前をコピペして検索するだけで彼らの専門分野などがわかります。自分が学びたい学問の名を冠する学部学科は存在しても、その中で特に興味のある専門分野を担当する教授がいなかったりしますので注意)
学生寮・住宅斡旋の組織の有無とその費用(部屋の広さ、ルームメイトの有無、食事付かどうか、料金など。大学名+dorm tourでYouTubeなどを検索すると実際に部屋の状態を見られることが多いです。)

※クォーター制とセメスター制
クォーター制かセメスター制かによって、滞在日数がかなり変わります。クォーター制の場合は冬休みが短め、全体の留学期間が、セメスター制よりも一か月ほど短くなります。セメスター制の場合は一学期一学期も長い上に冬休みも一か月近くあるので長くなる傾向があります。冬休み中は学生寮を一時的に出なくてはならなかったり、寮に滞在はできるものの食事が出なかったりと、純ジャパ、留学に消極的、友達を作るのが苦手の三重苦のわたしにとってはかなり辛い期間になります(一時帰国を考えてもよいですが航空券は高いので注意)。友達を作ることにとくに支障のない人なら、長めの休暇でも楽しめると思いますが。

全学オープン科目・副専攻制度を併用すると体系的な学習ができるのでチェケラ!!!という話

 前エントリでも述べましたがSILSは専門を持てない代わりに必修が少なく、時間割の自由度が高いです。そこを利用して、自分の好きな学問を好きなように学びつつ、体系的な知識を蓄積する方法を伝授しようと思います。ここで学びたい分野にあたりを付けて留学先を選ぶモチベーションにしていきましょう。

 さて、というわけで、全学オープン科目です。早稲田大学は総合大学ということで、特定の科目は、学部の所属にかかわらず全早大生に開かれており、これを全学オープン科目と呼びます。また、全学共通副専攻制度も存在し、こちらは全学オープン科目で組まれたカリキュラムに沿って科目を履修することで、特定の分野を副専攻としたことを認定してもらえる制度になっています。この二つを利用することで、国際教養学部教養学部ゆえにカバーするのが難しい体系だった学習を独自で進めることができるというわけです。ちなみに全学オープン科目は自由選択単位として認定されますから、英語科目が免除されて浮いた分の単位を全学オープン科目で埋めると無駄がありません、個人的に超オススメの単位習得プランです。
 全学オープンの副専攻についてですが、入学時に配布された冊子に副専攻の一覧と、その副専攻を取得するために履修しなければならない科目が記載されていますから、まずはそれを適当に眺めてみて、おもしろそうだな、と思った科目を一年のうちに国際教養学部指定の入門科目と並行して取ってみることから始めるといいと思います。そして、全学オープンなり、入門科目なりで興味のある分野を見つけたら、その分野にかかわるような副専攻がないかを調べます。文理問わず幅広い副専攻が提供されていますから、何かしら近しいものが見つかると思います。全学共通副専攻の取得には、たいていコアと呼ばれる必修のような科目群と、自由に選択できる科目群のふたつの群から所定の単位数を履修するする必要があるのですが、ここで重要なのは何がコア科目として扱われているのか、ということです。これはその学問分野における基礎科目は何で、発展的、選択的な科目は何なのかということを見るとてもよい指標になります。これをもとに、今後自分が履修したほうがよい科目に目星をつけることができます。
 このような観点は国際教養学部提供の科目の目録を見ているだけではなかなか気づかないものです。というのも、自由で幅広い科目の選択を謳う教養学部であるがゆえか、国際教養学部が提供する入門・中級科目には、Pre-requisitという概念が存在しません。例えば、高校の時の数学であったら、始めは1A,その次に2B,それから3Cを履修するというように順序が決まっていたと思います。これは、2Bでの学習には1Aで学習した知識が必要であり、3Cでの学習には2Bで学習した知識が必要であるということ、段階的に数学を学んでいくということの表れです。そしてこのような段階を積み上げていくことで、高度な数学をつかえるようになるわけです。この、2Bに対する1Aが、Pre-requisitと言われる科目です。特定の科目を履修するためには、その基礎となる内容の科目を履修し、単位として認定されている必要があるということを指します。国際教養学部は、興味あるものを特定の分野にとらわれず学ぶことができますが、その反面、このような「知識の積み上げ」は、学生が独自で履修科目を決めなければなりません。そして、その独自カリキュラムを組むにあたって、前述した副専攻制度の科目の区分けを参考にするのが有効なのです。
 例えばわたしは言語学を学ぼう、と思ったとき、この全学共通副専攻のなかから、「ことばの科学」と題される副専攻を見つけました。コアの科目としては音韻論・形態論・意味論・統語論・類型論などが挙げられており、同じ言語学の一分野でも、応用言語学・計算言語学はすべて自由選択科目とされています。ここから、基礎としては~言語学とつかないような科目を、そこからの発展として~言語学という名を関する分野があるようだ、というだいたいのあたりがつきます。また、その学問全体の概要や、何がスタンダードとされてきたのかを調べる上でも、副専攻紹介文はかなり参考になります。「ことばの科学」の履修モデルに書かれている文章を見ると、「具体的な言語や音声の分析を通じて」「言語学、音声学はもとより」という表現があり、下位分野の中でも「音声」という語が言語と同列に並んでいることから、かなり重要な分野であることが示唆されます。
 このように、全学オープン科目と全学共通副専攻を参考しながら、自分の興味のある学問領域独自のカリキュラムを組んで、国際教養学部提供の科目と補完しあいながら学習を深めていくことができます。留学先での履修計画や留学後の卒論のテーマを考える上でも、このような体系的な科目履修をしていくことはかなり役立ちますから、全学オープン科目を大いに利用してほしいと思います。

入学前のプレイスメントテストをまじめに受けたか受けなかったかで既に明暗がわかれるよ!という話

 入学式の前の3月下旬に英語のプレイスメントテストが実施されます。入試も終わって一段落、気が抜けるところですがこれは真面目に本気で受けることをおすすめします。理由は、このテスト結果が結果的に自分の学びたい分野を早い段階で見つけられるかどうかにかなり影響を及ぼすからです。
 まずプレイスメントテストの概要ですが、これは入学後の英語のクラスのレベルの振り分けのために行われます。国際教養学部では一年次に英語が必修になっており、Reading, Listening, Speaking, Writingの四つの授業を通年それぞれ一コマずつ(Speakingはニコマ)履修することになっています。このうち、Writing以外の授業は、プレイスメントテストのTOEFL-PBTで550点以上を得点した場合、免除されます(Speakingは免除されても希望して履修することが可能)。この免除が重要です
英語クラスの免除のもっとも重要な利点は、一年の秋学期から中級科目を履修できるようになる点です。国際教養学部教養学部と名のつくとおり、自らの興味から好きな科目を好きなように履修することが可能ですが、早い段階で自分がもっとも興味ある分野、卒論のテーマにしたい分野を見つけ、その分野についての知識を蓄えることが、留学先を絞るうえでかなり重要になってきます。
 例えばわたしの場合ですが、一年春学期に履修した入門科目や演習科目がきっかけで言語学に興味を持ったはいいものの、英語科目が免除されなかったために中級科目を二年春学期まで受けられず、言語学の下位分野のうちどこに焦点を絞って勉強をするのかが定まらないまま学内選考を迎えてしまいました。なんとなく言語学をやりたいな、程度ではそもそも学ぶ意欲もそれほど高くありませんし、苦手な英語のホームページから能動的に情報を引き出そうとも思えませんでした。ところが二年春学期に履修した中級科目は大変面白く、ここで初めて、言語学の特に統語論を中心に学びたい、統語論の中でもこの理論を中心に学びたい、統語論を中心に据えながらも認知や心理といった分野との関わりにも興味がある、反対に応用言語学第二外国語教授法などには全く興味がない、といった方向性も具体的に固まり、学習意欲も高まっていたのですが時すでに遅し、この時期になると派遣大学も決定され、書類の提出も済んでしまっています。入門科目の履修によって専門としたい学問分野にあたりをつけるだけでは正直に言って不十分です。中級科目を履修し、より専門的な知識のみならず、その分野の歴史や背景に関する知識、そしてその分野に詳しい先生方とのつながりを得ることで、初めてどの大学、学部が適しているのか、確信をもって選ぶことができるようになります。提供されている科目のタイトルや数、種類を大学のホームページで見るだけで、自分が学びたいことを提供している学部の規模、環境もわかるようにもなります。
例えばわたしの場合、言語学部が学部して独立して存在するか否か、修士・博士課程は提供しているのか、科目は特定の下位分野に偏っていないか、体系だった科目群になっているか、セミナー形式と講義形式どちらの授業形態が多いのか、などに着目することで、統語論を中心に、できれば心理学、認知言語学と絡めた科目がとれる大学を選ぶことができるようになります(今は。当時はできませんでした)。
 英語科目の免除にはもう一つ利点があります。英語科目が免除されなかった場合、どの曜日の何限目のクラスを履修するのかはあらかじめ指定されてしまうのですが、このような状況で自分の興味のある科目と時限がかぶってしまうことを避けることができます。英語科目として、Writingのほかの三科目ですでに四コマもあらかじめ指定されてしまうのです。もし自分の興味がある授業とかぶり、履修をあきらめた場合、それだけ自分に適した学問分野を知る機会を失うことになってしまいます。先に述べた、興味のある学問領域を早期に見つけることの重要性を考えると、これはかなりの損失です。SILSの利点は必修の少なさにあります。しかもこの少ない必修は授業の形態だけを規定するので必修の枠内でも自分の興味ある科目を選ぶことができます。英語が免除されないと時間割の自由度が奪われますので本当にかなりというかやばいめっちゃすごい損失になります。
 したがって、自分に適している大学を選び、学内選考出願時にしっかりとした志望動機を書けるようにするためには、所定の点数を取り英語科目を免除し、一年秋学期から中級科目を履修できるようにしておくことが重要になってきます。

※学問自体にさほど興味がない場合はそこまで躍起になってプレイスメントテストで英語免除を狙わずともよいかとは思いますが、英語科目は軒並み一コマあたり1単位と、普通の科目に比べて時間当たりの単位獲得率が低く非効率的なこと、土曜日のコマを指定される可能性があることなどを考えても、やはり、免除したほうが何かと得なのではないかとわたしは考えています。ただ、Speakingのクラスは実践的な英会話の機会として優れているので、自信のない人は履修して得るものはあると思います。出席や毎回の細かい課題が重要となるのでまめでない人にはおすすめ度は下がりますが。

※このプレイスメントテストで英語科目免除にならなかった場合でも、春学期終了時再びTOEFLE-ITPを受験する機会が学部より与えられます。そこで規定の点数を上回ると中級科目は解禁にはならないものの、英語科目は免除することができます。ただし免除のためには自分で手続きを行い、学部に免除申請をする必要があります。申請締め切りが夏休みの半ばあたりで、忘れやすいので注意してください。ちなみにわたしは受験して点数が出た時点で学部が自動的に免除しているものと思いこんでしまったこともありすっかり手続きを忘れており、泣きを見ました。学期当たり四コマは相当大きいですので締め切り日をきちんと確かめ所定の手続きを済ませるようにしてください。

※Writingの授業はかなり有益です。おすすめです。英語での学術論文の書き方を一年みっちりかけてネイティブ講師に鍛えてもらえます。積極的に参加しましょう。有益です!!!!!!!!!かなり!!!!!!ここで学んだアカデミックライティングのちからは留学先でペーパーを書くときにかなり役に立ちます、というかアカデミックライティングをちゃんと学んでいないと何も書けません。

留学準備はマジで気が進まないけど、この二点を意識しててこでも進めていこうな!という話

 自分がどうしてもやりたいわけではないもののために動くのはとても体力や気力のいるものです。英語も得意ではなく、留学に興味のない人にとって、その準備は苦行の一言に尽きます。しかし、この準備を怠ると、たださえ気乗りしない留学生活がさらに辛く苦しいものになりえますので(っていうかなりましたので)、最低限の準備は必要です。本当にこれは必要なことです。マジで甘く見ると泣きを見る。

 最低限きちんとすませるべき留学準備については後述しますが、その留学準備をなんとかこなしてゆくモチベーションがもっとも重要になってきます。モチベーションを一定水準で保つことでできていれば、準備が多少煩雑でも、「でも、留学してこんなことしてみたい!」「それに、留学先でああいう事例やこういう事例みたいに困ったら嫌だな……」と思うことができれば、なんとか準備を進めることができると思います。

 まずポジティブなものとして、
・学びたい分野を明確にし、それを早稲田大学とは違った環境・科目群のなかで、必修にとらわれず自由に勉強したいという気持ちを持つこと
が挙げられます。この勉学に関するものは、大学生としての留学ということもありもっとも重要なファクタだと思われますので、国際教養学部のカリキュラム上、留意するべき点をいくつか挙げながら解説していきます(SILSのカリキュラムの売りは、四年で留学もして卒業もできて就活もできる!ということですが、アカデミックな知識・素養を一から身に着けるにはちょっとギチギチのものになっているので、入学前からある程度の心づもりが必要です)。

 違う大学、それも海外の大学の授業を、自分の好きな科目を好きなように履修できる留学は、学問をする上でとても魅力的なことです。このように魅力的だ、と感じることができるようになるためには、学習意欲を高める必要があります。つまり、学びたいことを留学前に明確にすることがかなり重要になってきます。 

 つづいてネガティブなものとしては、
・英語も不慣れな中で感じる不便やストレスを最小限にしたいという気持ちを持つこと

が挙げられます。このことに関しては、どのような準備を怠るとどのような状況に陥ってしまうのか、ではそれを避けるために必要な準備をするにはなにをどうしたらいいのか等を述べます。準備不足がいかに恐ろしいかをある程度想像していただくことで準備の必要性をいまいちど認識してもらい、煩雑な準備・情報収集に関してもある程度の手順を明確かつ具体的に明記することで、その準備のハードルを下げることを目的として解説をしていきます。 

 また、前者は学内選考出願まで(10月から11月)に、後者は学内選考後から取り掛かるべき事項になるので、入学から時系列順に、留意するべき点を上記のモチベーションとなりうる要素と絡めて説明していこうと思います。超体系的で時系列に沿った解説になっているというわけです。マジ有益!!!!!!!!!

 

はじめに

  このブログは早稲田大学国際教養学部(通称SILS)に入学する新入生のうち、海外居住経験のないいわゆる純ジャパ、あるいは英語をはじめとする語学・国際関係・留学についてさほど興味がない人を対象に書かれています。早稲田大学国際教養学部に進学する人で、上記のような特徴を持つ人は少数派だとは思いますが、センター試験利用入試もあることを考えると、この学部への進学が第一志望ではなかった人は一定数いるものと思われます。そのような人にとって、SILSで多数を占める帰国子女や留学志望者たちの中で自分に必要な留学に関する情報を集めることは、そもそものモチベーションの低さに加えて、背景事情が異なることもあり、なかなかうまくかない場合があります。

 いくら消極的とはいえ、学部が義務付けているとおり、留学はしなければなりません。もともと消極的な人にとって、留学準備はまことに気が重く非常に煩雑に感じられることと思います。わたしがそうでした。しかし、国際教養学部に入学し、卒業しようと思うのなら、いくら現時点で実感が湧かないとはいっても、8ヶ月から10ヶ月の海外生活は避けては通れません。見慣れぬ土地での生活は、想像以上に、ストレスが多く、心細く、不安なものです。わたしは何度、もっとまともに留学の準備をしておけばよかった、と後悔したか知れません。このブログはそんな深い後悔のもとに成り立っています。自分で言うのもなんですかかなり有益です。

 ちなみにわたしは英語・語学・国際関係にはまったく興味がないものの、高校では理系だったものを文転したかったこと、とくに興味のある学問がまだなかったため教養系に進みたかったことから国際教養学部に進学しました。そもそも第一志望は国立大でした。ということもあって、この学部が留学必須であることは入学式前の3月になって初めて知りました。そのくらい留学には消極的でした。それもそれでどうかとは思いますが……。


 ということで本ブログでは、そんな留学に消極的な純ジャパの視点から、避けては通れぬ留学をそれでもよりよいものにするために何に留意するべきかを述べてゆきます。よろしくな!!!!!!