早稲田大学国際教養学部、純ジャパだけど頑張ったよブログ

英語苦手・留学興味なし・国際関係興味なしな早稲田大学国際教養学部生による留学にまつわるあれこれ

全学オープン科目・副専攻制度を併用すると体系的な学習ができるのでチェケラ!!!という話

 前エントリでも述べましたがSILSは専門を持てない代わりに必修が少なく、時間割の自由度が高いです。そこを利用して、自分の好きな学問を好きなように学びつつ、体系的な知識を蓄積する方法を伝授しようと思います。ここで学びたい分野にあたりを付けて留学先を選ぶモチベーションにしていきましょう。

 さて、というわけで、全学オープン科目です。早稲田大学は総合大学ということで、特定の科目は、学部の所属にかかわらず全早大生に開かれており、これを全学オープン科目と呼びます。また、全学共通副専攻制度も存在し、こちらは全学オープン科目で組まれたカリキュラムに沿って科目を履修することで、特定の分野を副専攻としたことを認定してもらえる制度になっています。この二つを利用することで、国際教養学部教養学部ゆえにカバーするのが難しい体系だった学習を独自で進めることができるというわけです。ちなみに全学オープン科目は自由選択単位として認定されますから、英語科目が免除されて浮いた分の単位を全学オープン科目で埋めると無駄がありません、個人的に超オススメの単位習得プランです。
 全学オープンの副専攻についてですが、入学時に配布された冊子に副専攻の一覧と、その副専攻を取得するために履修しなければならない科目が記載されていますから、まずはそれを適当に眺めてみて、おもしろそうだな、と思った科目を一年のうちに国際教養学部指定の入門科目と並行して取ってみることから始めるといいと思います。そして、全学オープンなり、入門科目なりで興味のある分野を見つけたら、その分野にかかわるような副専攻がないかを調べます。文理問わず幅広い副専攻が提供されていますから、何かしら近しいものが見つかると思います。全学共通副専攻の取得には、たいていコアと呼ばれる必修のような科目群と、自由に選択できる科目群のふたつの群から所定の単位数を履修するする必要があるのですが、ここで重要なのは何がコア科目として扱われているのか、ということです。これはその学問分野における基礎科目は何で、発展的、選択的な科目は何なのかということを見るとてもよい指標になります。これをもとに、今後自分が履修したほうがよい科目に目星をつけることができます。
 このような観点は国際教養学部提供の科目の目録を見ているだけではなかなか気づかないものです。というのも、自由で幅広い科目の選択を謳う教養学部であるがゆえか、国際教養学部が提供する入門・中級科目には、Pre-requisitという概念が存在しません。例えば、高校の時の数学であったら、始めは1A,その次に2B,それから3Cを履修するというように順序が決まっていたと思います。これは、2Bでの学習には1Aで学習した知識が必要であり、3Cでの学習には2Bで学習した知識が必要であるということ、段階的に数学を学んでいくということの表れです。そしてこのような段階を積み上げていくことで、高度な数学をつかえるようになるわけです。この、2Bに対する1Aが、Pre-requisitと言われる科目です。特定の科目を履修するためには、その基礎となる内容の科目を履修し、単位として認定されている必要があるということを指します。国際教養学部は、興味あるものを特定の分野にとらわれず学ぶことができますが、その反面、このような「知識の積み上げ」は、学生が独自で履修科目を決めなければなりません。そして、その独自カリキュラムを組むにあたって、前述した副専攻制度の科目の区分けを参考にするのが有効なのです。
 例えばわたしは言語学を学ぼう、と思ったとき、この全学共通副専攻のなかから、「ことばの科学」と題される副専攻を見つけました。コアの科目としては音韻論・形態論・意味論・統語論・類型論などが挙げられており、同じ言語学の一分野でも、応用言語学・計算言語学はすべて自由選択科目とされています。ここから、基礎としては~言語学とつかないような科目を、そこからの発展として~言語学という名を関する分野があるようだ、というだいたいのあたりがつきます。また、その学問全体の概要や、何がスタンダードとされてきたのかを調べる上でも、副専攻紹介文はかなり参考になります。「ことばの科学」の履修モデルに書かれている文章を見ると、「具体的な言語や音声の分析を通じて」「言語学、音声学はもとより」という表現があり、下位分野の中でも「音声」という語が言語と同列に並んでいることから、かなり重要な分野であることが示唆されます。
 このように、全学オープン科目と全学共通副専攻を参考しながら、自分の興味のある学問領域独自のカリキュラムを組んで、国際教養学部提供の科目と補完しあいながら学習を深めていくことができます。留学先での履修計画や留学後の卒論のテーマを考える上でも、このような体系的な科目履修をしていくことはかなり役立ちますから、全学オープン科目を大いに利用してほしいと思います。