早稲田大学国際教養学部、純ジャパだけど頑張ったよブログ

英語苦手・留学興味なし・国際関係興味なしな早稲田大学国際教養学部生による留学にまつわるあれこれ

別にそんなに英語がしゃべれなくても「わかってるよ!」ってことは態度で示せるぞ!という話

 はろ~おれだよ!おれです!!イェイ もう3月も半ばですね、1週間ほどの春休みももうすぐそこだ~ わあ~~~う 授業もそろそろ中間テストの時期です。ひえ~ おさらいをしなければならない!期末レポートに向けた準備もしなければならない!というような感じです。はい。さて今回は、英語しゃべれね~っていうひとがそれでもおれは馬鹿じゃないよ!ちゃんと内容はわかっているよ!ということを示すにはどうしたらいいんじゃらほい、ということを書こうと思います。英語嫌い留学したくない部のみんな!ぜひ読んでくれ!!!

 わたしは英語が話せません。すごい話せない。うん。TOEFLiBTもSpeakingだけ20点台どころか15点。15点ですよ。半分!!!まあそのくらい話せません。笑っちゃってたし。試験の時。う~わわたし英語ほんとにへったくそだな~っつって自分で笑ってしまった。フゥ~。まあそんなレベルです!ので、雑談はほんとうに苦痛。一度言語学部のホームパ~ティにお誘いいただいたことがあるのですが、学生よりも教授陣とそのご家族のほうが多いしほんとマジで何しゃべっていいのかどう話に入ればいいのかまっったくわからず、あうあうしていました。いたたまれないな~と思いながら隅に座っていたら、なんかよくわからない誰かの夫らしきひとから話しかけられ、日本人?留学生?なんでパーティなのにそんな隅に座って黙っているの?ぼくもさ韓国に留学していた時はシャイだったよ、でも話しかけなきゃ!そしたら友達もできるよ!ほらしゃべってみて!ね!自分から言ってみなきゃだめだよ!みたいな説教を一通り受け、わたしはもうマジで泣きそうでした。悔しくて。わたしだって言葉さえ通じたら、こういう場で適当な雑談して愛想笑いして浮かないように振る舞うくらいはできるもん!!!ただ英語ができないだけで、日本語が使えるところだったらパーティなんて向いてないけど挨拶したり質問したりするくらいはできるもん!!!隅で座って黙ってるのが浮くってことくらい知ってるよ!!!と心の中で叫んでいました。なんでそんな、責めるようなことを(別に責めてはないんだけど)言われなきゃいけないんだ!なんで否定されなきゃならないんだ!うえーん!と思っていました。まあそのあと意を決して学生同士の輪に無理くりはいっていって5分くらい会話に参加しはしたんですけどね!!!それですら沈黙が痛くて怖かったです。家に帰ってから泣いた。ほんとはわたしはもっと、もっと初対面の人と会話ぐらいは楽しめるしうまくできるのに!きっとみんなわたしが典型的なシャイジャパニーズだと思ってるんだろうな、英語も下手だし、よくわかんないへんちくりんなやつって思ってるんだ、と考えるとすごく悔しくて、屈辱的ですらありました。

 まあそこでね、一念発起してね、英語がしゃべれないってそれだけでこんなことになっちゃうならもうしゃべれるようになりゃいいじゃん!英会話の練習相手探したり友達作るぞ~!となればね~まだね~よかったのかもしれないけどね~……。そもそもわたしはそんなに社交的な性格ではないし引きこもりヲタクなのでね、できれば話さずに済ませたいわけですよ。うん。そしてそんなしゃべれなくても自分を表現する機会が実はあったんだなこれが。授業です。授業!!!幸いにもわたしは勉強はそんなにできないわけでもないし、英語だってしゃべれないだけでちゃんと読めるし聞けるし書けるんです。学生同士がぽんぽん会話してるようなのはまだまだ聞き取れませんが、留学前に学んでいた分野の授業だと専門用語も知っているし、話の流れもつかみやすいので、教授の講義はほぼ聞き取れます。レポートも、Writingの授業などで書いたこともありますし特に自信がないわけではありません。そうですわたしは座学、とくに講義形式の授業ならぶっちゃけ英語になんの不安もないんです!!!ただしゃべれないの!!HAHAHA そして実際きちんと授業に出席し参加していると、みんなわたしが授業をよく理解していてただの馬鹿ではないということをわりと早い段階から察してくれたのです。教授たちはもっとそう。課題出したりクイズ受けたりしてますからそりゃそうなんですけど。

 ということで次からはわたしが授業での態度などで褒められた出来事を述べながらそれのどこがよかったのかを自分なりに考えてみます。行くぜ!(あとここらへんで御察しの通りちょっと自慢というかドヤ入っています!!!気に障ったらごめんね、でも友達もいねぇから褒めてくれるひともあんまいなくてさ……ゆるしてくれよ~~~!有益なところもあるからさ~~~!)

 

①がんがん黒板に答えを書きに行こう!

 授業で、「この問題の答え、わかる人は黒板に書いてって~」と言われる機会があったらがんがん書きに行きましょう。書くだけならしゃべらずとも自分がいかにわかっているかをクラス中に示すことができます。書くスピードが速ければなおのことです。

 わたしは言語学を学んでいて、その中でも特に統語論(Syntax)が好きなのですが、このSyntaxの授業では、人間言語の構造がどうなっているのかという、いわゆる文法っぽいことを解析します。そして文構造の解析のためにはTreeと言われる図を用います。

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こんなのです。樹形図っぽいのでTree。ちなみにこの図は"I run"という文の分析になります。

 Syntaxの授業では、このTreeを自力で書き上げることができるということがかなり重要なので(っていうかほぼずーっとどのようなTreeが人間言語を説明するのに最も適しているのかという話をする)、毎回授業で書かされるんです。わたしは留学前に入門的なSyntaxの授業を国際教養学部提供のものと全額共通提供のものと2コマすでに履修していたので、すでにある程度は書けるようになっていました。なので、「じゃあこのTree、わかるひとは黒板(というかホワイトボード。黒板のある教室で授業を受けたことがない)に書いて~」と言われると待ってましたとばかりに前に出ていました。それも事前にやったことのある内容なので超高速で書けてしまうんです。ほかのひとたちがゆっくりノートを見ながら書き写しているわきで、わたしは書き方も全部覚えているので分析しないといけない英文を写すときだけノートを見て、あとはわき目もふらずぴゃっぴゃかぴゃっぴゃか書き上げることができます。するとみんなびっくりして見ているわけです。教授にも、「まるでタイムアタックみたいだね!彼女、1分で書き上げちゃった!」と言われてわたしは照れ照れ、クラスのひともゲラゲラ(ごめんちょっと盛った。くすくすって感じだった)。類型論というクラスでもTreeを書く機会があり、たまたまSyntaxを同じくとっていたひとが、「彼女はbottom-up方式でTreeを書くのが超速いんだよ」と教授に言っていたこともありました(うれしかったけど英語がしゃべれないので照れ笑いをすることしかできなかったがな!!!)。

 なので、もし、黒板に出て図や数式を書く機会があったら、ぜひとも積極的に前に出てほしいと思います。そうしたら英語へったくそでもみんなわかります。こいつ意外とできるんだ~、とそう思ってくれます。すごいね!と話しかけてくれたりもします(ただやっぱりそこは英語がしゃべれないので会話が広がらない。無念!やっぱり英語しゃべる勉強したほうがよかったかもしれん……。でもやだ!ふん!)。あとこれをやるには当たり前ですが内容がわかってないといけません。日本にいるうちにある程度興味ある分野の勉強を進めておくと理解の助けになってよいです!

 

②たとえ短い文しか話せなくても、的確な質問をしてみよう!

 質問って、英語しゃべれなくてもいいんじゃなかったのかよ!!!と思われるかもしれないが質問といっても一文でいいんです。もう中学校で習うような文でいいんです。指摘している点が的確でありさえすれば、あ、こいつはわかっているんだな、とそう思わせることができます。

 たいていの教授は質問ない?と途中途中で聞いてくれるので、もし疑問があったら質問をするべきです。どれだけたどたどしくてもその指摘している内容が有効なものであるかどうかはみんなわかります。んで、この的確な質問ってなんやねん!的確じゃない質問ってのもなんやねん!という話になってくるのですが、またまたわたしが学んでいる言語学の授業で実際にあったことを具体的に挙げながら説明したいと思います。

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 はいここでまたTreeの登場です!!!質問といっても悪い質問、逆にこいつばかじゃないの?と思わせてしまうような質問というのも存在します。

 例えば上のTreeをみると、こんなふうに、打消し線がついている箇所があるのが分かると思います。この打消し線にももちろん意味があって重要なのですが、手で書いていると、間違って、消すべきところではないところも一緒に打消し線を引いてしまうことがあるわけです(こんなふうに)。ホワイトボードに教授が書いた模範解答にももちろんそういうちょこちょこした明らかな書き間違いというのが存在するんですけど、そういうことを毎回毎回いちいち質問する人がいました。わたしはそのたび、いやそんなのいままでの話の流れ聞いてたらわかるじゃん、と思いましたし、実際となりの席に座っている生徒もあきれたようにハッ、と笑っていました。

 教授も、質問が言語学的な基礎や態度ができてないと思われる内容(誤解を生むような表現、適切ではない俗語が含まれるもの。例えば"I can speak English."という文章にあるcanは、学校文法においては俗にhelping verb(助動詞)などと言われることがありますが、これにはmodal auxiliaryという専門用語があります。Syntaxでは、言葉をどう使うべきかを規定する学校文法、いわゆるPrescriptive grammarで登場する表現は、実際に言語を科学的に分析していく上では不適切だったり不十分であることが多いので、あまり好んで使われません。"チョンチョン"で囲って使うことはまああるかな。)には、"What's helping verb?"とまずは暗に語の定義がおかしいよと、質問返しをしたりします。これははたから見ててこえぇなと思ったりもします。

 あるいは、前回の授業でやった内容を覚えていないと思われるような発言(「どうしてTreeのこの部分はこう書くのですか?」←前回の授業で学んだことだったり、似たような質問が過去にあり解決済みだったり)をしても逆にこいつわかってねぇんだな、と思わせてしまいます。っていうかわたしは結構思っています。ぶっちゃけ、なんだよ!英語に不自由無くても記憶力ならわたしのほうがまだいいじゃん!と思っているよ。うん。まあわたしのいる大学はそんなにレベルの高くないふっつーの大学だからというのもありますが。まあでもとにかく、なんでもかんでも質問すればいいというわけではないんです。

 では、どのような質問をしたらこいつわかってるな、と思われるのか。それは今までの授業でやった内容をきちんと踏まえた質問であること!さきほど挙げた質問群がなぜ悪い質問かというとぜんぜん前にやった内容を踏まえていないからなんですよね、基本的に。あとは本質的な部分と枝葉末節の部分を取り違えているか。

 Field Methodの授業でこんなことがありました。Field Methodというのは、言語学におけるデータをどのように集めるべきか、そしてそれをどのように分析するのか、といった方法論を学ぶ授業です。わたしが取ったクラスでは、ネイティブアメリカンの言語の一種であるNahuatl(教授の発音を聞くとナワ、と聞こえる。わたしには)という言語の母語話者に来てもらって、実際に「水はなんていうの?」「男がバナナを食べた、はなんていうの?」というような質問を繰り返してデータを蓄積し、その言語の仕組みを分析していきました。だんだん規則性が見えてきたり、かと思ったらぜんぜん予想外の活用をしたりと、なかなか楽しい授業です。んで、そういうことがあると聞きたくなるわけです。「もしかして、このなんちゃらっていう部分は、複数形を表しているの?」「今までルールを踏まえると、これはこう活用するの?」とか。で、こういう質問をちゃんとするには、今までとってきたデータをきちんと覚えたうえで、いま聞いたデータと比較し、常にこの言語のルールはなんなんだろう?と予測していかないといけないのです。

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1回の授業でこの2倍から3倍くらいの量のデータを記録します。週2回。

 ある授業でわたしは質問をしました。目的語が限定されているか(theがつく)、あるいは限定されていないか(aがつく)、また複数か単数かによって、動詞に違った接辞(三単現のsとか過去形のedとかそういう感じのやつです)をつけていると思しきデータを記録している最中のことです。例えば、「the bananaを食べる、というときは食べりゅ」「a bananaを食べる、というときは食べみゅ」「the bananasを食べる、というときは食べひゅ」というように語形変化をさせているように見えたのです(これはわたしのでっちあげの例です!!!わかっているとおもいますが!!!)。教授も、目的語がどんな性質かによって動詞を使い分けているのかな?限定か不定かで使い分けるなんておもしろいね、と言っていました。しかし、目的語が不定でaがつくものでも、みゅ、ではなく、りゅ、と活用させていた例が過去にあったことをわたしは覚えていました。目的語が限定か不定か、ということをもとに活用しているとしたらこれはおかしいぞ、と思いました。ので、わたしはまず、母語話者に、以前の例文を探して、「a  rockを投げりゅ、と言いますか?」と、たずねました。もちろん答えはイエス。だってそうやって記録したもんな!なので続けて教授に、「この文では、a rock なのに、みゅ、ではなく、りゅが使われています。これらは限定や不定を表すマーカーではないと思います」と言いました。すると教授もそうだね、じゃあこれはなんと言いますか?この文は?とさらに母語話者に質問をしてくれましたし、母語話者も、これは動作の方向を示す意味があるように感じます、と言ってくれました。その授業後、同じクラスの女の人から、あなたはよく授業内容を理解しているね、いい質問だったよ、と突然話しかけられました。まじで!?!やっぱりわっかる~???デヘヘ、と思いながら、いえいえいえそんなでもありがとうございます、となんとか返しました。うれしかったです。有益な指摘ができたぞ!と思えました。

 この質問をするときにわたしが使った文法はほんとうに中3レベルでした。しかも短い英文を3つだけ。"Excuse me, Is it OK to say brabrabra....?" と、" In this sentence, the object is A rock, but there is RYU, not MYU. I do not think these are definit markers."  こんだけでもすごくどもりましたしつっかえますが、強調するところを強調したりホワイトボードを指さしたりしながら話すとなんとか伝わってくれます。英語が母語の人は、質問するときにもっともっと普通にいっぱいしゃべります。わたしだってもし日本語が使えたら、「いま、これらの文のなかのこれこれという接辞についてこうこうおっしゃっていましたが、このデータなどを考えるとそれはないとおもいます。このデータでは~~~~~だからです。むしろ、これらは~~~~を表していると考えるほうが妥当なのではないでしょうか?」ともうちょっと長い文章で発言したでしょう。でも無理!!!「妥当」とか「~ではないでしょうか?」とかすぐでてこねぇし!!今言っていた授業の内容の要約とそれに添えてこう思うとかああ思うとかそういう複雑な文でてこねぇから!!!ということであの赤ちゃんみたいな英文3つです。ばぶー。でも通じます!!!指摘している点さえ妥当だったら通じるし評価してくれます。

 なので、学んだことを踏まえた質問(とくに以前学んだことと矛盾しているように思えるもの)は、どんだけつたなくても正当に評価されます!中学生レベルの構文ならすっと出てくるでしょうしなんとかなるなる!いけいけどんどん!という感じです。それに英語へったくそだけど伝わったー!と思えてうれしいよ!だから質問はしよう!つねひごろから質問できるようにしようと思って授業を受けるといいんじゃないかなと思います。集中!!!勉強もわかるようになるだろうしばかと思われないよ!Speaking15点でもね!!!

 

以上です!英語しゃべれない=馬鹿とかまぁーじでうっせーだまれおりゃあ日本語ならぺらぺらなんじゃ!!!馬鹿じゃねーから!!!という心意気でいこうな!ばいび